CHAPPATTEさんの弘前滞在

熊野真規子

 ■一年前の桜まつりの季節、スイス・ジュネーブ在住の国際政治漫画家Patrick CHAPPATTE(パトリック・シャパット)さんが来弘しました。学術国際振興基金助成という堅苦しい名前の助成事業のですが、このような機会に恵まれるのは、国際政治漫画家 No-rio(山井教雄)さんが弘前在住だからこそ。

夜の弘前公園にて  3日連続のハードな講演スケジュールで、講演は英語あるいはフランス語で行われました。CHAPPATTEさんは、スイスのフランス語圏の方なのでフランコフォン。フランス語通訳をして下さったNo-rioさんも、フランス滞在が長かったので、フランコフォンです。近いうちに、「弘前ふらんす事情」に登場していただきたいと思っています。

 初日は、「Globalised!!!!! 漫画家、世界メッタ斬り」:国際政治や社会問題に疎い日本の学生事情を考慮し、IT関連の比較的判り易いものから徐々に社会的、政治的なものへ導く巧みな構成で学生の興味を引きつけました。
 翌日は、「漫画家ってジャーナリスト?」:日本の新聞には存在しない”Editorial Cartoon”=社説漫画とは何なのか、ジャーナリストとして位置づけられる社説漫画家の仕事内容を講演。CHAPPATTEさん自身の作品が順に解説されていく過程で、日本人が曖昧に捉えているイラストレーション/風刺漫画/社説漫画の違いや、欧州のジャーナリズムのあり方、新聞購読の仕組みなども判るという優れた構成でした。
 最終日は、研究懇話会「CHAPPATTEが見る欧州の行方:フランス大統領選挙等」 仏大統領選1次選挙直後であったことから関連する漫画中心に例を挙げながらのホットな講演でした。
講演の様子 講演の様子

 CHAPPATTEさんにとっては、この講演が初来日。成田から弘前へ直行したので、弘前の参加者との積極的な交流、体験が国際政治漫画・日本編への道をつけたことになる!?と「弘前ふらんす事情」の中では大げさに考えることにしましょう。
 CHAPPATTEさんのサイト、Globe Cartoon(英語/フランス語)*1は、フランス語ブラッシュ・アップにも世界情勢を追うにも、お勧めです。フランコフォニー広場のリンク集(メディア)に入れています。ぜひEnglishではなくFrançaisをクリックして、フランス語バージョンの政治漫画で世界情勢を追いかけてみて下さい。

 講演スケジュールの合間を縫って弘前桜まつりを訪れたCHAPPATTEさんは、「桜」への特別な思いを抱く日本人の姿に興味津々だったようです。以下のページで弘前桜ルポ漫画を見ることができます。

*桜色に着色され、「我らが新聞の漫画家シャパットさんから届いた絵葉書carte postale」というスタイルで掲載

*1 http://www.globecartoon.com/
Chappatte : The Editorial Cartoon Site - EDITORIAL CARTOONS on World Affairs - Political Cartoons by Chapatte