オリンピックとフランス語

熊野真規子

 このサイトのイベント紹介ページで、バンクーバー・オリンピック&パラリンピックのフランス語ページを告知してから、早くも4年、ソチオリンピック&パラリンピックが開催されます。

ウィンタースポーツ用語を楽しめるのは4年に一回、この機会に大会の公式ページを覗いてみませんか。
オリンピック公用語であるフランス語、英語に加えて現地語であるロシア語はキリル文字で表記されているので、なお刺激的? Sochi冬季五輪公式ページのフランス語ページはこちら→http://www.sochi2014.com/fr/

たとえば、スケートはpatinage、フィギュアスケートはpatinage artistique、そうかフランス語は形容詞が後ろにつくからね、スキージャンプはSaut à skiスキーをつけてジャンプ、なるほど…と、いろいろ気づかせてくれ、興味がわけば、自分の好きな競技についてもっと詳しい用語まで知ることができます。
この機会に、あまり教科書ではお目にかかれない国の名前を知るのもいいですね。

金メダルle médaille d'or、銀メダルle médaille d'argent (argentは日常生活では「お金」という意味で使われることが多いですが、これは本来の「銀」の意味)、銅メダルはle médaille de bronzeです。
ちなみに、IOCは英語のabréviation(略語)で、フランス語の場合は、やはり形容詞が後ろに置かれるのでComité International Olympiqueの略CIOとなります。


さて、お気づきの方も多いと思いますが、オリンピックではフランス語が第一公用語なので、アナウンスはフランス語→英語→現地語の順に行われます。
 どうしてフランス語が第一公用語なのでしょうか?
 それは、ピエール・ド・クーベルタンPierre de Coubertin男爵が「近代五輪の父」、つまり現在のオリンピックの礎を築いた人だからです。
 「参加することに意義がある」という表現で耳にすることが多い"L'important, c'est de participer."(重要なのは、参加することである)は、クーベルタン男爵の言葉です。


 オリンピックの標語「より速く、より高く、より強く」 « Citius, Altius, Fortius »(ラテン語)、フランス語では « plus vite, plus haut, plus fort »となるこの格言は、もともとフランスのリセの校長であった神父が学生に贈った言葉ということですが、1894年にソルボンヌで国際オリンピック委員会を創設するとき、標語として、クーベルタン男爵によって提案されたそうです。

オリンピックを見ながらフランス語の知識が増えるのは、ちょっと得した気分?

2014.02.01