イスラム教最大のお祭り「ライード」

今年も「ライード」の季節がやってきました。
ライードとは、イスラム教最大のお祭り「羊犠牲祭」のこと。
起源は旧約聖書。礼拝のあとに各家庭で生きた羊をさばき、余すところなく食べて祝います。
解体した羊の3分の1は自宅で食べ、3分の1は親戚や近所の人に分け、残りの3分の1は羊を買うことのできない貧しい人に分け与え、命の恵みに感謝をします。
日本にとってのお正月であるこのお祭りは、今年は9月12~13日です。


モロッコ人はライード前からずっとそわそわ。
あるモロッコ人男性(30代)は「1,900ディルハム(約2万円)の羊を買ったんだ」と鼻高々。
羊の大きさや値段で男のランクがはかられ、離婚騒動になることもあるといい、多少無理をしてでも良い羊を調達するそうです。
ライードの前には、強盗やスリが増えるとの噂も…。

そんなライードの時期、昨年はモロッコ人家庭にお邪魔しました。
到着早々、羊肉のブロシェット(串焼き)をたらふくいただき、おなかいっぱいになったかと思えばそれは前菜。
メインは羊肉のタジン、さらに内臓のブロシェット…と羊のフルコースで、翌日も自分の体から羊のにおいがするように感じたほどでした。
あのとき「もう羊はいらない」と思ったものですが、この1年間でどれだけ羊肉を食べてきたかを振り返ると、羊がいかにモロッコの食文化にとって大切なものかを思い知らされます。



2016年9月9日