ラマダン

イスラム教徒にとって、1年のうち最も神聖な月といえるのが、ラマダン。
ヒジュラ歴の第9月のことで、イスラム教徒は日の出から日没まで断食を行います。
今年のモロッコでは、6月7日から7月5日までの約1か月間でした。

ラマダン中、モロッコ人は日の出前に食事をすませ、日中は食べ物どころか水も飲みません。
日中はほとんどのレストランが閉店。官公庁すらも午後2~3時には閉まります。
そして午後7時40~50分ごろに日の入りのアザーンを聞くと、「フトール」と呼ばれる朝食をとります。


フトールの定番は、ハリラ(ひよこ豆や野菜などが入ったトマトベースのスープ)、ゆで卵、デーツ、バグリール(モロッコ風クレープ)、オレンジジュースなどです。
モロッコ人はこのフトールを皮切りに、日の出まで宴をすることもしばしば。
断食というとやせるように思いがちですが、日没からたくさん食べるため、いつもより太ったり、出費がかさんだりするようです。

一方、異教徒に加え、イスラム教徒でも子供や病人、妊婦などには断食の義務はありません。
ラマダン中でも開いているマクドナルドなどのファストフード店では、子供だけに食事をさせるために訪れたモロッコ人親子や、外国人の姿が見られます。

私自身もこの1か月、外食できない、気が引けるので水もこそこそ隠れて飲まなければいけない、うっかり午後7時ごろにスーパーに行っても開いていない……と、実際のところ結構影響がありました。
ラマダンが終わったらあれも食べよう、これも食べようと考えていたので、しばらくは外食を楽しもうと思います。


2016年7月7日