RPK2010報告
熊野真規子
RPKとはRencontres Pedagogiques du Kansaiの略で、外国語としてのフランス語教育に関心のある教員(大学院生)が3月下旬に集まって開かれる研究会です。研究会は「アトリエ」の形式を取り,参加者同士で考えや経験談,授業での実用的なテクニックについて意見交換をします。
弘前大学は、以前は最も遠方からの参加者と紹介されていましたが、現在では全国のフランス語教育関係者(最近は日本語教育、英語教育、ドイツ語教育関係者の参加もあり)が、実質的な議論と刺激を求めて集結しており、フランス語で進行されるアトリエも多いため、ネイティブの参加者が多いことが特徴です。
↑現在、岐阜と名古屋でフランス語を教えている
弘前大学の元・留学生L.G.も偶然参加していました
RPK2010は、第24回目にあたり、3.26-3.27、大阪日仏センター―アリアンス・フランセーズで開催されました(大阪天満宮に至近の場所で、関西出身の私は、ほぼ毎回、天神橋筋商店街のお好み焼き屋で、大阪独特の栄養バランスの悪い=炭水化物に偏っている定食の一つ、「お好み焼き定食:お好み焼き+ご飯+みそ汁」を昼食にとり、関西にいるんだ~という実感を味わっています)。
今年のアトリエの共通テーマは、①教師の再教育:さらに良い授業のために何をするかと②異なる教育・学習環境にどう取り組むかでした。TV5を活用した自律学習、そのための学内への導入が私の主な参加目的でしたが、弘前大学でのテストに入る前に、学内ネットワークのファイヤーウォールの問題をクリアする技術にトラブルが生じたとの連絡があり、新学年度には間に合いませんでしたので、問題が解決され、予算確保が可能になりましたら、またHP上で知らせます。
各アトリエの予稿集を見ていただけるとおおよその内容はわかりますので、フランス語教育に携わる人、フランス語教育に興味ある人は読んでみて下さい。
私が参加した以下のアトリエ/シンポジウムは以下の通りです。
・多様化する学生とその学びの在り方
・"Moteur" ou le rond-point des apprentissage
・シンポジウム:コラボレーション型教育におけ る教師の役割
・Francophonie a travers TV5 MONDE
・Enseigner avec TV5
・日本人教師が文法クラスと会話クラスにおいて自己表現を教授する方法について
また、興味あるアトリエが同時間帯に重なったため、アトリエ主催者に懇親会で質問をしたり、友人に参加してもらって報告を受けたりしたのが、以下のアトリエです。
・Portfolio de l'enseignant/教師用ポートフォリオの試み
・初習外国語チューター:留学生との授業実践
・ことばの「学び」を育てるプロジェクト―教師の「学び」のコミュニティ創出の試み(カセットテープ録音あり)
気になるテーマなどがあったら、遠慮なく質問して下さい。
いつも時流に乗ることばかりが正しい道とは限りませんが、学習者の多様化、フランス語をとりまく社会の多様化、教育をとりまく状況の多様化により、教師のFD(Faculty Development)、自律学習への導き(ポートフォリオ、e-learningなど)、フランコフォニー、文化の教育など、新しいようで古くからあった問題意識がかつてと違う理論武装をして再登場しているように思います。