世界に誇る、日本の温泉、フランスに温泉はあるのかな? #1 温泉事情 à Bordeaux

2021年度後期 多文化共生コース特設講義B(1)

「地域と世界をつなぐⅠB」温泉チーム
河瀬綾乃 藤田唯衣

世界に誇る、日本の温泉 フランスに温泉はあるのかな?

 温泉は世界でも人気のある日本文化であり、日本を訪れる海外からの観光客の多くが楽しみにするもののひとつだ。  さて、日本特有とも思われがちな温泉文化だが、温泉施設は日本だけではなく、世界各国に存在しているのはご存じだろうか。国によって温泉の定義や利用方法も異なるため、日本とはまた違った魅力がある。  今回は「フランス」の温泉事情に注目する。フランスに住む方はどのような場所で、どのように温泉を楽しんでいるのだろう。3組のフランスに住んだことのある方にインタビューし、フランスの知られざる温泉事情をみていこう。

温泉事情 à Bordeaux Par Yukari UENO& Antoine Trinité(ゆかりさん&アントワーヌさん夫妻)

 最初にインタビューするのは、ゆかりさんとアントワーヌさん夫妻。ゆかりさんご夫妻はフランス南西部の中心的なまち Bordeaux(ボルドー) に住んでいる。  フランス・ボルドーの温泉事情について伺うと、そもそも日本のような温泉や温泉地はないという。しかし、Calicéo Bordeaux (カリセオ・ボルドー) という温水プール施設があると紹介してくれた。カリセオ・ボルドーは、フランス人にとって癒しや安らぎを与えるスパ施設のような場所だ。恋人と行く時はデート・スポットに、家族や友達と行く時はテーマパークにもなる。記念日や年末など、特別な日に楽しむ人気スポットになっている。 ※Calicéo Bordeauxをカタカナで検索する場合は、「カリシオ・ボルドー」となるが、本稿ではフランス語の発音に近づけるため「カリセオ・ボルドー」と表記している。  フランスの休日は、恋人や家族と一緒に過ごすのが一般的だ。
 休日にはショッピングモールやスーパーマーケットも休みになる。  そこで、日曜日でも開いているカリセオ・ボルドーのような施設に遊びに行くという。水中エアロバイクや、水中ピラティスといったスポーツ・アクティビティもあり、年配の方には水中ウォーキングなどが気軽にできる美容・健康施設としても利用されている。  カリセオ・ボルドーに日本の温泉にあるような温泉卵や、風呂上がりの卓球、牛乳はない。演出やアクティビティで人々を魅了し、大切な人と過ごす癒しの時間を提供している。  全てが同じではないものの、大切な人と過ごす、リフレッシュするという点は日本の温泉文化にも通じるものがある。  カリセオ・ボルドーの利用料金は、2,500~5,500円くらいとややお高め。やはり特別な日に行く場所であり、日常的には市民プール(約300~400円)をよく利用しているという。フランスに行く機会がある方は、カリセオ・ボルドーで特別な日を過ごすのはいかがだろうか。 ※『Calicéo Bordeaux(カリセオ・ボルドー)』に関する情報は、以下のURLから閲覧可能。
Calicéo Bordeaux

コラム:Bordeauxってどんなところ?

 世界で最も有名なワインの名産地、Bordeaux(ボルドー)は「月の港」とも呼ばれ、世界遺産にも登録されている旧市街地がある。月の港の由来は、三日月形に湾曲しているガロンヌ川沿いの港町。

 ワインで有名なボルドーだが、実はローマ帝国時代において日照時間の短さと雨量の多さでブドウ栽培には適さない土地だったそう。しかし、「ビトゥリカ」という品種の発見により、ブドウ栽培が盛んになる。その後、ボルドーはワイン生産地として活気づき、港はワイン貿易で栄えたという。

 りんごに適さない土地で、技術を高めることによって一大生産地になった青森にも通じるところがあるのではないだろうか。

filed under: