学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう? #6 味の感想・表現のちがい

2021年度後期 多文化共生コース特設講義B(1)

「地域と世界をつなぐⅠB」給食/食育チーム 小丸美月 清水瞳

学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう?

 給食といえば、みなさんが一度は経験したことがあると思う。小学校や中学校で、教室で友達や先生とともに食べる給食は、日本で学校生活を送ってきた私たちにとって当たり前に見てきた光景だろう。  では、学校の仕組みや食文化の異なる海外では、学校給食や食育は行われているのだろうか?  そこで、弘前と所縁のある『フランス』では、給食はどのような形式で、どのように利用されているのか? 食育は行われているのか? ということについて調べ、3組の方にインタビューを行った。フランスの学校給食や食育について見ていこう。

味の感想・表現のちがい

 下調べでは、フランスにおける食育では味や風味などを言葉で表現する、感性の教育のようなものがあるという情報があった。そのため、普段から食事の感想はよく言葉にするのか、日本と比べて感想を言う際に必要とされるボキャブラリーの量や幅の広さに違いがあると感じられるか、ということを質問してみた。 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)  アントワーヌさんはこちらにおいても、感性の教育は経験しておらず、家族から教わるものだという認識があるそう。ボキャブラリーの量や幅の広さについて、厳密には分からないものの、感想は詳しく言うのだと仰っていた。例えば、日本ではある料理を食べて感想を言うとすれば、テレビ番組やラジオなどで特別味の魅力を伝えようとしない限り、ほとんど多くの人は「美味しい」や「うまい」と一言で済ませてしまったり、どんな風に美味しいのか、美味しさやその味の魅力を伝えるための表現が物足りなかったりする印象がある。しかしアントワーヌさんによると、フランスでは複数の要素について言及したり、フレンチジョークを言って笑わせようとしたりするような面もあるという。  これを聞くと、フランスの教育の方針自体が、話そうとする姿勢や自分の考えを述べようとする力をつけることに熱心であることが、このような部分でも見られるように思える。
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