2021年度後期 多文化共生コース特設講義B(1)
「地域と世界をつなぐⅠB」温泉チーム 河瀬綾乃 藤田唯衣
シャワーか、浴槽か―それとも? #1
皆さんは風呂をどのように楽しんでいるだろうか。シャワーを浴びてから、ぬるめの湯を少なめに溜めてゆっくり入るだろうか、はたまた熱々の湯にザブッと入るだろうか。一人暮らしの大学生は光熱費を気にかけて、浴槽は基本使用せずシャワーだけをササっと浴びる生活をせざるを得ない……なんて声も聞こえてくるものだ。 どのような目的や意識を持って風呂に入るのかといった、「風呂」の多様性に興味を持った私は、日本を越えフランスに縁のある2組に普段の風呂事情や、日本とフランスの風呂文化の違いについてインタビューした。上野由加里さん&Antoine Trinitéさん編
現在、フランスのボルドー地方の寮に住んでいる、上野由加里さん(以下、ゆかりさん)とAntoineTrinitéさん(以下、アントワーヌさん)夫妻。 弘前大学の学生時代、温泉を求めて一人旅をするほどの風呂好きであったゆかりさんは、体をキレイにするだけではなく、リラックスするために入ることができるのが、日本の風呂だと表現している。しかし、フランスは日本と比較して水道料金が高く、短時間で終えなければいけないため、毎日浴槽に浸かることはできない。そのため、ゆかりさんは現在のシャワー生活を「作業的であるから、風呂でのんびりできなくて残念」と語り、毎日日本の風呂を恋しく感じている。 現在のゆかりさんとアントワーヌさんの風呂事情はというと、寮室内にシャワー室が設備されていて、シャワーはあるが浴槽は付いていないそうだ。(写真1参照)。入浴頻度と時間帯について尋ねると、毎日朝に浴びているとのこと。写真1 アントワーヌさんゆかりさんの居室のシャワー
ゆかりさんから寮室のシャワーの調子が悪い時、友人の寮へシャワーを借りに行ったときの話を伺った。友人の寮は、ゆかりさんアントワーヌさん夫妻が住んでいる寮よりも寮費が安く、シャワー室は男女共用のシャワー室がずらっと並んでいたそう。(図1参照)。フランスには、危険であるから裸を見せないという教育があるとアントワーヌさんは話す。そのような教育があるにもかかわらず、男女共用の個室シャワーであったために、ゆかりさんは違和感を覚えたという。図1 とあるフランスの量のシャワー室(イメージ)
アントワーヌさんは、日本の浴室の良いと思うことについて、洗い場と浴槽が分かれていることを挙げた。洗い場と浴槽が分かれていることでその時の気分に応じて、シャワーを浴びるか、浴槽に浸かるか、それともシャワーを浴びてから浴槽に浸かるのかといった入浴の仕方を選べるのが良い点だとおっしゃっていた。(図2参照)図2 左:日本式浴室の例 右:フランス式浴室の例
インタビュー協力者の紹介
Yukari UENO& Antoine Trinité(ゆかりさん&アントワーヌさん夫妻)France Progress Antoine&Yukari(2022)『フランス好きのためのオンラインサロン』
France Progress(2022)『フランス語個人レッスン無料カウンセリング』
おえかき動画屋(2022)『ホワイトボードアニメーション』