学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう? #5 La Semaine du Goût (味覚の一週間)とは?

2021年度後期 多文化共生コース特設講義B(1)

「地域と世界をつなぐⅠB」給食/食育チーム 小丸美月 清水瞳

学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう?

 給食といえば、みなさんが一度は経験したことがあると思う。小学校や中学校で、教室で友達や先生とともに食べる給食は、日本で学校生活を送ってきた私たちにとって当たり前に見てきた光景だろう。  では、学校の仕組みや食文化の異なる海外では、学校給食や食育は行われているのだろうか?  そこで、弘前と所縁のある『フランス』では、給食はどのような形式で、どのように利用されているのか? 食育は行われているのか? ということについて調べ、3組の方にインタビューを行った。フランスの学校給食や食育について見ていこう。

La Semaine du Goût (”味覚の一週間”)とは?

 フランスの食育の政策として「la Semaine du Goût (“味覚の一週間”)」についての情報が下調べで得られていた。これは、毎年10月の第三週にフランス全土で開催されているもので、その始まりは1990年に遡るとされる。では、実際にどのような活動・取り組みがされているのだろうか? アントワーヌさんとテオさんのお二人話を伺った。 第5回 味覚週間|一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)  ノルマンディの小・中学校へ通っていたアントワーヌさんは経験がなく、そもそも政策自体を知らない様子だった。だが、なんとテオさんは“味覚の一週間”を小学校で経験したことがあるのだそう。  テオさんがいうには、食育というよりも一年に何度か行われるイベントのひとつであり、お菓子を食べたり、「中国の日」や「ベトナムの日」と決められた日にその国の食べ物を食べたりしたのだという。下調べの情報と違いはあったものの、非常に興味深いと感じた。  味覚の一週間は政策でもあるため国民からの認知度は高いと考えていた。しかし、味覚の一週間の元となった1990年当初の活動はパリの小学校で「Leçon de Goût (味覚のレッスン)」が一日だけ行われていたようであるため、フランス全土へ広まったのは最近の可能性が高い。アントワーヌさんがその存在を知らなかったことにはそういった背景が推察される。また、まだ都心で重点的に行われていることや、小・中学校へ通う子どもたちに合わせて、内容が変わっていることが考えられる。
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