学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう? #4 フランスの食育

2021年度後期 多文化共生コース特設講義B(1)

「地域と世界をつなぐⅠB」給食/食育チーム 小丸美月 清水瞳

学校給食と食育 日本とフランスではどんな違いがあるだろう?

 給食といえば、みなさんが一度は経験したことがあると思う。小学校や中学校で、教室で友達や先生とともに食べる給食は、日本で学校生活を送ってきた私たちにとって当たり前に見てきた光景だろう。  では、学校の仕組みや食文化の異なる海外では、学校給食や食育は行われているのだろうか?  そこで、弘前と所縁のある『フランス』では、給食はどのような形式で、どのように利用されているのか? 食育は行われているのか? ということについて調べ、3組の方にインタビューを行った。フランスの学校給食や食育について見ていこう。

食育は行われている?

 給食からつながる話題として、フランスの学校教育における「食育」についても興味が湧いた。  私たち学生4名が経験してきた学校教育における食育は給食との結びつきが強く、共通して栄養や食のバランス中心に行われていた。学校から配布される献立表では献立だけでなく、栄養素について詳しく書かれている学校が日本には多いよう。以下の画像は、日本の学校で食育の際によく用いられる、食べ物を役割ごとに分類したもの。 5大栄養素  フランスについての下調べ(※1)によると、フランスでは私たちが経験した食育の内容に加えて「味・風味」、「味わう喜び」、「伝統」などについても学ぶという情報があり、日本の食育が栄養学的である一方で、フランスの食育は芸術的な面も含まれていることが感じられた。 第5回 味覚週間|一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)  実際のところはどうなのか、アントワーヌさんとテオさんのお二人に話を伺った。  アントワーヌさんの経験では、栄養について身体に良い・悪いを学ぶことはあったが、バランスやカロリーについては特に食育では触れられていないということだった。食育というものは学校では行われておらず、各家庭によって差はあるものの、それは家庭内で行われるという認識があるとのこと。  また、テオさんも食育について特別なこととして学んだわけではないそうで、日本で行われているような食育については「バイオロジー」という授業として栄養学を学んだのだそう。  こうしてみると、一概には言えないが「食育」というのはあまり行われていないように感じられる。
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